【艦これMMD】ヲ級でシュガーヘイト

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《必ずとして戦士が前向きとは限らない》

     3.必ずも乱すとは限らない

 
 「ねぇ…どうして何も言い返さないの?」
 この声は誰の声だったか。
 俺がまだ虐めら泣いていた時代にかけられた声だった気がする。
 「お前には関係ない」
 その時の俺は完全に中二全開のグレ方をしていた。世界の全員が俺の事を嫌っているなど、何があったらそんな風になるのか?自分でもその時の自分にツッコミたくなるような
 まず世界の全員が敵に回るってどんな状況なんだ?世界中にゾンビかするウイルスでもばらまいたとか?いや…どうでもいいか
 なんでこんな時にあの時の慰めの言葉にも等しい、自分は弱っている相手を助けているんだぞアピールの言葉を思い出したんだ?これが死ぬ前に見る走馬灯的なやつか?いや…だとすると俺の人生って本当につまらないな。殴る蹴る罵倒が殆どじゃねえか。
 あぁ…思い出すだけでイラつくな…。俺はそんなにひどい事をお前らにしたか?いや…してない。でも親がしたな…でも俺は何もしてないよな…理不尽なる世界に順応していない俺が悪いのか?多分、そうだ…。
 理不尽なる世界に祝福を理不尽なる世界に喝采を…ふざけるのもいい加減にしろっと叫びたいもんだ。
 『なんなんだ…なんなんだお前は‼』
 誰の声だ?今までに聞いた事のない叫び声だ。何も分からないが何故が清々しい気分になってきた。
 それが引き金に暗かった世界に光が射し初めて天井と表現していいのか?世界が崩壊し始めた。この世界にくるときに出会った自称神が作った世界とは何かが違う。たった一つ確かに違ったのは悲鳴だ。
 女の悲鳴、男の嘆く声、子供の死にたくないと叫ぶ声…全てが次第に大きく近くなってきた。俺の心の声とでもいいたいのか?逆にこんなに俺が壊れる程叫びたがってるとすれば俺は弱いな。
 魔法やら剣やらの戦う世界でやっていける気が全くしない!やっべ…どうしよう?引きこもるかな…自宅警備員で生き抜くか!
 決心した時、頭に今までに感じたことの無い感触を感じた。これはなんだ?皮膚の様な何処か…ムニムニしているというか…?
 『ひゃっ…そこ触らないで…変な声でそうだから』
 ん?なんだ?この手に残る確かな温もり、そして目の前にある2つの大きな…胸か?そこから覗かすあどけないあの少女の顔
 うん。俺はいま膝枕されてるな。そして俺がさっき揉んでたのはこの変人の内太ももか…冷静に確認してないで早く逃げるか。
 『ちょっと待って!!』

 『な、なんで…す…お?』
 それは動揺していたさ。死んだと思って目覚めたと思ったらいきなりセクハラ行為をしたからね。辺りの状況を全く認識できてなかった。
 目の前には底5メートル以上はあろうか巨大な爪で抉り取ったような跡があった。そして何より気絶する前は真上に上っていた太陽が沈みかかってるのか辺りがすっかり夕焼けに染まってた。
 吹っ飛ばされ腹部に突き刺さってた木片もなく、傷跡も残ってない。俺の所持品は…壊れてない。こっちの世界にきて初めて安堵した。これが無かったら俺死んでたな別の意味で
 『あの…』

 『ん?あぁ、セクハラしてすまん。わざとじゃなかったんだ…いや、本当に…』
 ダメだ目を逸らすな俺!でも、平然を装って目を合わせようとするたびにあの感触が蘇って直視できない。来た時には胸に辺りをカバーしてた鎧が少しだけ砕けて谷間が見えてる…男は野獣とはよく言ったものよ。変人女に心を揺れ動かされるとは、これだから女は嫌いなんだ。アァ…デモダメダ。目ガカッテニ胸二引キ寄セラレル
『貴方は誰なの?』
 名前か。ここは普通に俺の名前を名乗ってもいいんだけど異世界に来たことだし、中二全開だったときに考えた最高に生かす名前を言ってやろうじゃねえか。心して聞け!
 『俺の名前は…ファナ・カスティリヤだ。よろしく!』

 『…嘘つき』
アレ?おかしいな…俺はネットを潜りそれらしい言葉を必死に探し当て、裏で名乗っていた真名とほざいていたあの頃を見透かされている様にその塵を見るような冷ややかな目が突き刺さる。
 おかしいな…目から汗が出てるみたいに熱い…そして胸が苦しい
『私は…ティアナ・アリアン。名前教えたから本当の名前教えて…じゃないとなんって呼んでいいか分からないから…』
 それはそれで正論だな。元の世界では細菌扱いされていた俺だ。流石に異世界に来てまで見ず知らずの変人に細菌扱いされた日には傷つく。それは流石にご勘弁だ。
 『分かったよ。俺の名前は天野 彼方だ。これでいいか?うっさころ』

 『うん…え?うっさころ…?』

 『そんなに変だったか?お前の頭から生えてるそれを見て言ったんだけど』

  俺がそういうと困ったように口に手を当てて何かを呟き始めた。俺が此奴の事を変人と思ってたのは頭から生えた耳だ。ウサギの様な耳を平然と生やして?つけて?どっちかは分からないけど、見た時からずっと気になってた。
 でも此奴が何かに集中している間が逃げるチャンス!俺は足にこれでもかって程に力を入れて一歩踏み出した。
『痛ってー!!』
 地面と熱烈なキスをした。此奴に背中を向けると途端に足が石の様に動かなくなったせいで顔が痛い。こっちに来てからひどい目にしかあってない気がする。気のせいか?気のせいだと言ってくれ!誰か!
 『ねぇ!ちょっとその手見せて!』
 強引な女は嫌いじゃないが変人は嫌いなんだよな。
 俺の手の甲をまじまじと…手の甲に何か呪印?の様な模様があった。これって…アレか?何処かの誰かと戦って…願いをかなえてくれる玩具を手にする戦争で目にする…アレか?
 待ていッ‼俺はそんなの興味ないぞ?自害しろ!なんって言われた日には完全にぐれるね。ちょっと確かめてみるか。
『まじまじと見ているところ悪いんだけどさ、ちょっと俺に命令してみて』

『え?命令…?どんな?』

『そうだな…いま困ってる事とか?』

『…お腹すいた‼』
 子供の様に元気よく手を上げられても俺には何もできませんし、俺の言葉の意味を理解していない様子だ。そもそも俺は食べられるもんなって持っていない。
 それに此奴が手を上げる寸前に手の甲に俺と同じ呪印の様なものが見えた。俺の足が急に動かなくなったのはコレが原因か…。
 だとすると、遺跡後にあったあの魔方陣は此奴の仕業か。なら俺は此奴に召喚され…これ色んな意味で大丈夫か?
 『お前なんか召喚魔法的なものつかった?昼時に』

 『うん!ライロ遺跡の修道院跡地で描いたよ!でも…良かった…成功してて…』

 ここに来る前に話して神の設定決めの意味がなんとなく分かった。だとするとだ…次にすることは一目瞭然だな。
 敵と戦い、ボロボロの少女と出会う。だが、その少女は足を怪我してまともに歩ける様子じゃない。しかも辺りは人の気配が全くない森の中…
 召喚魔法が成功して俺が出てきた事に安堵してる変人。それを背負うって目的地まで届けろ。ゲームなら左上あたりに命令文が出てるんだろうな。話しは歩きながらでもできるし、運が良ければ衣食住に困らなくても済むはずだ。
『乗れ…』

『だ、大丈夫だよ!じ、自分で歩けるから!』

 ふざけんなこの野郎!背負ってやるためにわざわざ腰まで落として、乗りやすい格好になってるのに自分で歩けるだと?定番のルールに反してませんかね??
 小鹿の様に震え切った足で何とか立ち上がった変人女だったけど
『あ…』
 立つことするままならないのか。糸の切れた人形の様に膝から崩れた。こんなお遊戯に付き合ってる暇はないんだよな。いや…暇は十分にあるけどめんどくさいと言うか…
 『あと十秒以内に乗れ。さもなくば置いていく選べ』
 あたりもさっきより暗くなってきて、自分の体の状態をやっと飲み込んだ変人は少し申し訳なさそうな顔をし、やっと乗ってきた。
 『ごめんね…』

 『気にすんな』
 だって俺の衣食住がかかってるからな。
 俺の最低な考えを知ってか知らずか、背負ってから暫くして俺の背中に顔を当てて泣き始めた。子供の様にわんわん泣かずに必死に自分の感情を抑え込むように物静かに涙を流し、俺の服を握る手が震えてる。そんなに怖かったのに今まで我慢してたのか…。
 でも服が濡れるな…。どうしよう?
 舗装された道を一時間近く歩いてるけど一向に開けた場所に出る気配がない。日は落ちて辺りは木々のスキマから時折見える月明かりだけで、辺りは殆ど見えない。背中の此奴は呑気に寝てるし、背中に直に胸の感触は伝わってくるし、寝息が耳元にかかって色々と変な感情になりそうだし、いろんな意味で危険な状態だよ。特に俺の理性が…
 『ん…うん?あぁ、彼方…おはよう…』

 『はいはいおはよう…』
 いきなり下の名前で呼んでくるか。
 年齢=彼女いない歴の俺にはそれはキツイ。
 まず、下の名前で呼ばない
 気軽にボディタッチをしてこない
 思わせぶりの行動をしないを徹底的に守ってほしい!勘違いするだろうが!
 『ごめんね…背負ってもらってるのに寝ちゃって…』

 『気にすんな。自分で選んだことだし、気に病むってならお門違いだ。』

 素直に謝ってくれるのは嬉しいけどなんか…歯痒い。今まで素直に謝ってもらった事なんてないし、信用されたことなんてない。どうしてあって数時間の俺の背中でたやすく寝れるのか?こいつ…もしかして馬鹿か?
 『ねぇ…そういえば私のこの耳見えてるんだよね?』

 『あぁ、お前人間じゃないのか?』

 『うん…普段は人間のふりしてるけど…私は玉兎って言う種族なの』

 『玉兎?』

 『元々は月に住む種族だったみたいなんだけどね…私の一族が昔に地上に逃げてきて…何か問題を起こしたらしくて嫌われ者で…今、地上に玉兎は私しかいなくて怖いから…だから人間のフリしてたの…』
 今にも消え入りそうな寂しそうな声で教えてくれた。
 それに私しかいないって所で此奴に親がいないのだと分かった。玉兎っていう種族が昔に何をやらかしたのかは分からないけど、俺と少しだけ共通するものがある。
 怖いって事は何か嫌な事をされたことがあるのだろう。それを深入りして自分だけが理解できるなんて馬鹿な事は考えない。
 俺はそれをよく知っている。何も理解できない奴に知った風な顔をされて「その気持ちわかるよ」そんなセリフを聞くだけで殺意が湧く。
 『無理するなよ…』

 『うん…お父さん…』

 『な、なんだって⁈』
 あぁ…寝言ですか。
 疲れ切ってるせいかまた寝始めた。急に変な事を言われるとボッチってのは周りがひくような変な声が出てしまうのだよ。それを聞かれなくて良かった…。
 それから30分程度してようやく開けた場所に出た。幸運にも少し先に小さな村みたいな場所もあるし…こいつを起こすか。でないの人に話しかけられる気がしない。だって人見知りだもん
 『ありがとう…ついたんだ…』

 『あ、起きてたの?なら少しだけ頼みたい事があるんだけど』

 『うん!大丈夫だよ…一緒に住んでもいいように聞いてみるから』

 『それは…どうも』
 というとあの村の中に此奴の家はあるのか。
 村の中はいたって物静かだった。
 中世のレンガ風の家が並び、店らしき家は見た感じ一軒だけ。
 家の数もそんなにないから住んでるのは数百人程度か?そのんな疑問を抱きながら、案内されるがまま流され到着したのは2階建の旅館だった。それはまさしくJapanese旅館だった。
 え?なに?こいつ金持ち何かの御曹司なの?入ってすぐ目に入るのは大きな池の中を泳ぐ見慣れた鯉
 異世界なのに異世界じゃないように感じる。入り口にも大きな赤い暖簾がかかって完全に宿じゃん…しかもこの家に住む人の名前なのか表札に漢字で「童子」の文字が刻まれてる。
 『入っていいのか?』

 『うん!大丈夫!後は私が説明するから安心して』

 『任せるぞ…!』
 引き戸式の玄関を開けた。
 そこには仁王立ちしてる2メートル越えの怒りに満ちた鋭い目つきの女性の鬼が立っていました!…やべ死んだなこれ

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